便秘が原因で胃もたれが起こる理由は? 解消法と共に徹底解説
2017/03/13
2020/10/16
監修: 快適ヘルシーライフ編集部
便秘は、多くの方が一度は悩んだことのある体の不調です。便秘になるとおなかの張りや痛み・肌荒れなどさまざまな症状が現れますが、胃もたれを感じる方もいます。なぜ、便秘になると胃もたれを感じることがあるのでしょうか?
そこで、今回は便秘になると胃もたれが起こる原因や解消方法をご紹介します。
この記事を読めば、胃もたれが起こる原因だけでなく便秘の効果的な解消方法なども分かるでしょう。便秘がちな方や便秘になると胃もたれを感じやすい方は、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。
1.胃もたれとは?
胃もたれとは、胃が重く感じる・むかつく・鈍痛がするなどといった不快な症状の総称です。胃は、食べたものを胃酸と混ぜ合わせて消化する器官であり、胃もたれがしている時は、消化機能が低下している可能性も高いでしょう。実際、胃もたれを感じる時は健康な時よりも長く食べ物が胃にとどまっていることも多いのです。
胃もたれが起こる原因は
- ストレス
- 暴飲暴食で胃に負担がかかっている
- 胃腸が弱り、食べ物を消化する力も弱っている
- 胃炎・胃がんなどの病気
- 胃酸過多、もしくは減少
などがありますが、便秘になっても胃もたれを感じる方が多いのです。
2.胃もたれと便秘の関係
便秘とは、便が何日も出ない状態のことです。便は栄養を吸収された食べ物の残りかすや、内臓の老廃物などからできており、毎日作られます。ですから、便秘が続けば便は腸内に溜まり続けるでしょう。すると、腸が便で膨れてしまい、胃で消化した食べ物を受けつけにくくなります。ひどいくなると、腸へと送られなかった食べ物が胃酸と共に食道へと逆流してくることもあるでしょう。このような状態になると、胃もたれの他に吐き気も感じるようになるのです。この状態が慢性化すると、胃食道逆流症と診断されることもあるでしょう。
また、便が腸内にとどまり続けると腐敗ガスが発生します。このガスが腸内に充満すると腸が膨れて胃を圧迫するのです。すると、胃が十分に拡張できず、少量の食べ物を食べただけで胃もたれを感じることもあるでしょう。
便秘による胃もたれは、便秘が長引いた時に感じやすいものです。また、胃腸の病気になると胃の消化機能や腸のぜん動運動が低下し、便秘と胃もたれが同時に起こることもあります。特に生活習慣や食生活を変えていないのに、急に便秘になり胃もたれも感じるようになったという方は、胃腸の病気を疑いましょう。
3.便秘による胃もたれを解消する方法
便秘による胃もたれを解消するには、まず便秘を解消することと腸内環境を整えることが大切です。この項では、その方法の一例をご紹介しましょう。
3-1.おなかに溜まったガスを抜く
胃もたれと共におなかの張りを感じている場合は、ガスが腸内に溜まっている可能性があります。仰向けに寝て膝を曲げ、手で両足を抱えて胸に近づけてみましょう。両足を一度に胸に近づけるのが難しい場合、片足ずつでもかまいません。そのままの姿を5秒~10秒保つことを10回ほどくり返すと、ガスが抜けやすくなります。また、おへそのすぐ下に手のひらをあてて、のの字をかくようにおなか全体をマッサージしてもよいでしょう。ガスが抜ければ胃が広がる余裕ができて胃もたれが解消しやすくなります。ガスが抜ける時は腸も動きますので、便意がくることもあるでしょう。この場合はすぐにトイレに行ってください。
3-2.梅干しやリンゴ・ヨーグルトを食べてみる
便秘を解消する食べ物はたくさんありますが、胃もたれを伴う場合は梅干しやリンゴがおすすめです。梅干しやリンゴに含まれているクエン酸は消化吸収を助け、腸の動きを活発にする効果があります。梅干しは1日1粒、リンゴは1日に1個を目安に食べてみましょう。リンゴは食物繊維を多く含んでいるので、便秘解消にも効果的です。ヨーグルトは便秘解消効果の他に腸内の善玉菌を増やす効果が期待できます。また、脂っぽい料理を食べる場合は大根やキャベツを一緒に食べましょう。大根には消化を助けるジアスターゼが、キャベツには胃粘膜を保護して修復するキャベジンが含まれています。もちろん食物繊維も豊富ですから、便秘解消にも効果的です。
3-3.ストレス解消を心がける
胃腸の動きは、自律神経がつかさどっています。自律神経には交感神経と副交感神経があり、副交感神経が活発になると胃腸の動きも同じように活発になるのです。副交感神経はリラックスしている時に活発になりやすく、逆に強いストレスを感じている時には働きが鈍くなります。ストレス過多になると便秘になったり下痢になったりするのは、副交感神経の影響もあるのです。
お風呂にゆっくりと入ったりするなど、心身共にくつろげることをすると副交感神経が活発になり、胃腸の動きも改善するでしょう。散歩など軽い運動もおすすめです。
3-4.便秘薬を利用する
便秘が長期間続いた場合は、まず便秘を解消することが大切です。運動や食生活を改善しても効果がない場合は、便秘薬を利用しましょう。用法・用量を守れば便秘薬は効果的です。キョクトウ株式会社の複方熊胆円(ふくほうゆうたんえん)は、便秘解消だけでなく弱った胃腸の機能を回復する効果があります。便秘による胃もたれに苦しんでいる方は、利用してみてください。
3-5.病院を受診するべき症状
- 便秘が解消しても胃もたれが治まらない
- 食後に胃もたれがひどく、空腹時には胃の痛みがある
- 吐き気と共に胃酸が逆流してくる感覚がよくある
- 便が黒い・血が混じっている
このような場合は、内科や消化器科を受診し、胃腸の状態を診てもらいましょう。治療が必要なこともあります。
3-6.やってはいけないこと
胃もたれや便秘は、多くの方が経験したことのある体の不調ですが、重大な病気の症状かもしれません。市販の胃薬や便秘薬がないと胃もたれや便秘が解消しないという場合は、病院を受診しましょう。市販薬でごまかしていると、症状が重篤化し、治るまでに時間がかかることがあります。
また、ストレスの解消に暴飲暴食をすると余計に胃腸が弱ってしまうでしょう。暴飲暴食以外でストレス解消を行ってください。なお、胃もたれが続いている時は辛いものや脂っこいものを控えましょう。就寝前に食べ物を食べるのもおすすめできません。満腹で眠ると、睡眠中も胃腸が働きっぱなしになるため、胃もたれが起こりやすくなり睡眠の質も低下します。
4.便秘や胃もたれに関するよくある質問
Q.生理前や生理中になると便秘や胃もたれが起こりやすいのですが、なぜですか?
A.女性ホルモンの影響が考えられます。期間が限定されているのなら、その間は食生活を見直して消化の良いものを中心にしましょう。
Q.胃もたれが起こると食事を食べる気がせず、抜いています。体にとってはよくないのでしょうか?
A.食事の量が少なすぎても便秘になります。固形物が食べにくいなら、スープやスムージーを飲むなどしましょう。
Q.子どもでも便秘や胃もたれをすることはありますか?
A.ストレスや食生活が原因で便秘になり、胃もたれを感じることはあるでしょう。特に、受験生はストレスがかかりやすいので、体調管理には気を使ってあげてください。
Q.胃もたれがする時、避けた方がよい食べ物はなんですか?
A.揚げ物などの油ものや、消化吸収に時間のかかるものは避けましょう。
Q.キャベツや大根は生のまま食べた方がよいのですか?
A.生のままですと食べにくく量も入りませんので、無理に生で食べる必要はありません。火を通して食べた方がよいでしょう。大根の場合は大根おろしもおすすめです。
5.おわりに
いかがでしたか? 今回は、便秘と胃もたれの関係や解消方法などをご紹介しました。便秘が長引くと便の中の水分がなくなり、余計に排出されにくくなります。便秘が1週間以上続く場合は、まず便秘を解消してから胃腸の調子を調えましょう。また、前述したように胃もたれがするからと食事を控えると、便が余計に出にくくなります。消化吸収が良いものを小分けして食べるなど工夫をしましょう。