便秘が切れ痔の原因に? 対処方法と予防のポイントを解説!
2015/08/30
2017/02/23
監修: 快適ヘルシーライフ編集部
排便中に痛みがはしり、トイレットペーパーを見ると血がついていた。こんな経験がある方は意外に多いと思います。これは、切れ痔。痔の中でも最も患者数が多いものです。
そこで、今回は痔の治し方についてご紹介しましょう。場所が場所だけに、病院には行きたくないという方も多いと思います。では、どうすれば切れ痔が悪化せずにすむのでしょうか?
また、切れ痔の予防法もご紹介します。時々、トイレットペーパーに血がつくという方は、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。
1.切れ痔とは?
はじめに、切れ痔とはどんな病気かということや切れ痔の原因をご紹介します。悩んでいる人はかなり多いのです。
1-1.切れ痔ってどんな病気?
切れ痔とは、肛門(こうもん)の皮膚が何らかの原因で切れてしまう病気のことです。ご存じのように、肛門(こうもん)の皮膚は排便のたびに伸び縮みしますが、硬い便などが通過するときは耐えきれずに切れてしまうこともあります。ちなみに、痔とは、肛門(こうもん)周辺に起こる病気の総称です。切れ痔のほかには痔核(じかく)や痔ろうなどがあります。
1-2.切れ痔の原因とは?
切れ痔の原因で一番多いのは、便秘による排便異常です。便秘が続くと体内で便が固くなってしまいます。この固い便を無理やり出そうとすると、肛門(こうもん)の皮膚が切れてしまうのです。
また、下痢が続いても切れ痔になります。下痢に含まれる水分が、肛門(こうもん)の皮膚をただれさせてしまうのです。ですから、切れ痔になるということは便通の状態がよくないということの証(あかし)でもあります。
1-3.切れ痔は女性に多い?
痔は男女問わず発症しますが、切れ痔は特に20代~30代の女性患者が多いのです。これは女性に便秘の方がたくさんいるということと、妊娠すると便秘になりやすいからでしょう。
また、場所が場所ですから切れ痔になっても恥ずかしくて病院に行けないという方も少なくありません。ですから、どうしようもなくなって病院へ行ったときには、状態が悪化していたということもあります。
2.切れ痔になったらどうしたらよい?
では、切れ痔になってしまったらどうすればよいのでしょうか? この項では、切れ痔の治し方についてご紹介します。
2-1.基本は自然治癒
切れ痔は、一言で説明すれば皮膚の裂傷です。裂傷自体は、ほかの部分の皮膚でもよく起こりますね。切れ痔でさけてしまう部分は、たいてい皮膚の浅い部分です。ですから、多くの場合は放っておいても治ります。しかし、便秘が続くと排便のたびに肛門(こうもん)の皮膚に負担がかかって、切れやすくなるのです。肛門(こうもん)周辺は雑菌が多いため不衛生なままにしておくと、大変なことになるでしょう。
2-2.肛門(こうもん)周辺を清潔にたもつ
切れた皮膚が治るまで、肛門(こうもん)周辺の皮膚は清潔にたもちましょう。トイレにウォシュレット機能がついているようでしたら、排便後はそれで洗浄します。そうすれば、清潔です。
また、ウォシュレットがない場合にお勧めなのが赤ちゃんのお尻ふき。これは、湿り気があるのでトイレットペーパーよりも肛門(こうもん)周辺を清潔にしやすいでしょう。トイレに流せるタイプを利用するとさらに便利です。
2-3.市販のぬりぐすりを使おう
肛門(こうもん)が痛くてしょうがないという場合は、市販のぬりぐすりを利用しましょう。どこのドラッグストアでも売っています。また、温めると痛みが和らぐことが多いので、入浴したりお尻にカイロを当てたりしてもよいでしょう。
3.痔はくりかえすと危険?
切れ痔は市販薬と自然治癒で治ってしまうことが多いです。しかし、あまり何度も切れ痔をくりかえすと、その部分が潰瘍になってしまいます。ですから、頻繁に切れ痔をくりかえすという方や、切れ痔をくりかえすたびに痛みが強くなってくるという場合は、一度病院を受診してください。恥ずかしいと思うかもしれませんが、痔は悪化すると大変です。痔の治療は「肛門(こうもん)科」で行いますので、お近くの肛門(こうもん)科を探してみましょう。
4.痔にならないためにはどうしたらいいの?
では、痔を予防するにはどうしたらよいのでしょうか? この項では、痔を予防する方法をいくつかご紹介します。
4-1.便秘の解消
痔にならないためには、適度な柔らかさの便を出すことが大事です。そのため、まずは便秘を解消しましょう。あまり長い時間便秘が続く場合は、市販の便秘薬を利用して便秘を解消してください。この際、必ず用法や用量を守るようにしましょう。
また、食物繊維やビフィズス菌など便秘解消に効果のある食べ物を食たり、軽い運動で腹筋をきたえるのも効果的です。がんこな便秘の方ほど正常な状態に戻るまで時間はかかりますが、コツコツと取り組んでいきましょう。
4-2.下痢が続く場合は?
下痢が続く場合は、何らかの病気を発症している可能性があります。まずは内科を受診してみましょう。また、最近は精神的なストレスが原因で下痢になりやすい「過敏性大腸症候群」の方も増えています。
受診した結果、過敏性大腸症候群と診断された場合は、ストレスの発散方法を考えましょう。また、心療内科を受診して治療を受けるのもよいですね。
4-3.毎日同じ時間にトイレに入る習慣をつけよう
便秘解消の第一歩は、毎日同じ時間にトイレに入ることです。そうすれば体はその時間に合わせて腸を動かしてくれるでしょう。できれば朝が効果的です。また、下痢が続く場合は胃腸に負担がかかるものや刺激の強いスパイスは避けましょう。特に、からいものは肛門(こうもん)への負担が強いので、完全に治るまで控えてください。
5.痔以外でも出血はある
痔以外にも肛門(こうもん)から出血する病気はあります。特に、大腸がんやポリープは下血があるので注意が必要でしょう。切れ痔で出血した場合は肛門(こうもん)付近からですので、血の色は鮮やかな赤です。しかし、腸から出血した場合は時間がたっていますから黒っぽい血になります。ですから、赤黒い出血があった場合は切れ痔ではなく腸の病気を疑ってください。切れ痔かと思って放置した結果、大腸がんが進行してしまった例もあります。
また、腸内からの出血があると便の色も黒くなるのです。下血だけでなく便の色も確認してみましょう。
6.おわりに
いかがでしたか? 今回は切れ痔の原因や治し方についてご説明しました。
まとめると
- 切れ痔に悩む人は多い。
- 切れ痔の基本的な治し方は自然治癒である。
- 肛門(こうもん)周辺の皮膚を清潔にたもっておく。
- 痛みがひどい場合は温める。
- 何度もくりかえす切れ痔の場合は病院を受診しよう。
ということです。切れ痔は決して珍しい病気ではありません。しかし、ほかの病気のように患者どうして情報交換することもやりにくいでしょう。ですから、インターネットの情報などを頼りにしている方も多いと思います。切れ痔を早く治すには、肛門(こうもん)周辺を清潔にすることが大切。特に、出血が続いている場合はおりものシートや生理用ナプキンなどを使って出血を抑えましょう。男性でも、このような生理用品を使っている方が多いのです。
また、ふき残しがあると傷口に雑菌が入って炎症を起こす場合があります。ですから、ウォシュレットなどを使って肛門(こうもん)周辺を可能な限り清潔に保ってください。座り仕事をしている方は、ドーナツ型のクッションなどを使うのもおすすめです。