便秘で発熱はなぜ起こる?症状や対策・治療方法を詳しく解説します!
2016/10/10
2020/10/16
監修: 快適ヘルシーライフ編集部
便秘になると、発熱することがありますよね。便秘になるだけでも苦しいのに、発熱するとさらに辛(つら)いことです。では、便秘になるとなぜ発熱が起こるのでしょうか。今回は、便秘による発熱が起こる仕組みや症状だけでなく、対策・治療方法も詳しく解説をします。記事を読むことで、便秘による発熱にかんして速やかに対応ができるようになるでしょう。
また、便秘による発熱に対応できるようになるほかにも、便秘そのものの解消についても学ぶことができます。便秘による発熱を繰り返さないためにも、便秘を解消することが何よりも大切です。便秘を根本から解消したい人も、ぜひ読んでくださいね。
1.便秘と発熱の関係について
まずは、便秘と発熱の関係について解説します。便秘が原因で発熱することもあれば、発熱が原因で便秘になることもあることを知っておきましょう。
1-1.便秘と発熱の関係
便秘の症状のひとつとして、発熱を挙げることができます。ただし、便秘のたびに発熱する人もいれば、まったく発熱しない人もいるでしょう。便秘で発熱するかどうかは、人それぞれであると言えます。しかし、便秘が発熱の原因であることは明らかです。また、発熱をすることで便秘になることもあります。便秘と発熱には、相互に深い関係にあることを覚えておきましょう。
1-2.発熱による便秘とは
発熱することが原因で、便秘になることもあります。発熱した状態では、腸の活動も弱くなるため、普段よりも便秘になりやすくなる場合があるのです。また、解熱剤などを飲んでいるときは薬の副作用で便秘になっている可能性も否定できません。なお、発熱による便秘の場合は熱が下がると自然に解消します。
1-3.便秘による発熱
便秘になると、便が腸内に溜(た)まって発酵し有毒ガスが発生します。この有毒ガスが原因で発熱することがよくあるのです。つまり、便秘の人は発熱が起きやすい状態と言えます。原因不明の発熱が起きた場合は、便秘が原因である可能性を考えてみましょう。便秘による発熱を解消するには、便秘そのものを解消する必要があります。
1-4.発熱が起こるメカニズムや主な原因
発熱が起こるメカニズムについて説明しましょう。人体は、何らかの異物や異常を感じると免疫力を高めて正常に戻そうとする力が働くようになっています。このとき、免疫力を高めるために発熱をするのです。発熱の原因は、細菌やウイルスなどの異物侵入やケガや病気によるもののほかにも、便秘による有毒ガス発生も原因となります。
1-5.腸の働きと免疫力について
腸が活発に働いているときは、栄養素の吸収もスムーズで老廃物を便として排出します。腸の働きが正常な状態では、免疫力も正常に働いているものです。しかし、何らかの原因で腸の働きが弱くなると、便を排出する力が不足するために便秘になります。さらに、便秘によって腸の働きが弱くなると、免疫力が弱まって発熱などの症状が出ると考えてください。
1-6.便秘と免疫力の関連について
便秘になると、免疫力が低下します。便秘は、腸内に老廃物が便として溜(た)まっている状態です。便が溜(た)まったままの状態では、腸は正常な活動を行うことができません。すると、栄養素の吸収を妨害することになるため全身に栄養が行き渡りにくくなります。便秘によって体内活動に必要な栄養素が不足することで、免疫力が低下してしまうのです。
2.便秘による発熱から考えることができる病気
便秘による発熱は、ほかの病気を考えることもできます。どんな病気を考えることができるのか、具体的に学びましょう。
2-1.発熱以外に注意すべき症状とは
便秘による発熱では、以下の症状に注意してください。
- 腹痛がある
- 頭痛がある
- 腹部以外の痛みがある
- 吐き気がある
上記の症状がある場合は、便秘以外の病気が隠れていることを疑いましょう。
2-2.便秘による発熱から考えることができる病気
では、便秘による発熱から考えることができる病気には何があるのでしょうか。具体的には、以下のような病気を疑ってください。
- 腸炎
- 腸閉塞(へいそく)
- 潰瘍(かいよう)性大腸炎
- クローン病
- 大腸ポリープ
- 大腸がん
いずれの病気も、早期治療がカギになります。便秘になっている状態で発熱以外にも気になる症状が出ている場合は、早急に医師の診断を受けてください。
2-3.便秘による発熱を放置するとどうなるか
便秘による発熱を放置することは、いけません。原因が便秘である限り、放置することは悪化を招くだけです。便秘による発熱を解消するためには、すぐに対策を採(と)ることが大切だと考えてください。放置することで熱が上がったり便秘が悪化したりなど、より辛(つら)くなることでしょう。また、ほかの病気が隠れている場合は病気の進行も心配です。便秘による発熱は、とにかく放置しないでください。
2-4.こんなときは病院へ行こう
便秘による発熱で以下の症状があるときは、大変危険です。
- 激しい腹痛がある
- 激しい頭痛がある
- 吐き気が止まらない
- 意識障害が起きる
- 全身がひきつけを起こす
上記の症状が出ている場合は、一刻を争うこともあります。たとえば、夜間救急に出向いたり救急車を呼んだりして早急に病院へ行ってください。
3.子どもの便秘による発熱について
子どもの便秘は、発熱を伴いやすいものです。ここでは、便秘による発熱がなぜ子どもに多いかをお話します。また、便秘による発熱の対処法や治療法も理解してください。
3-1.便秘による発熱をしやすい人や年代
便秘による発熱をしやすい人がいます。また、年代によっても発熱しやすい時期があることを学びましょう。具体的には、以下のような人や年代ですね。
- 病気やストレスで免疫力が低下している人
- 子ども
- 高齢者
慢性的な便秘の人は、常に腸内環境が悪化しているため発熱も起こりやすくなります。また、何らかの原因で免疫力が低下している人も、気を付けましょう。年代別に見ると、子どもや高齢者が便秘になりやすい傾向があります。
3-2.便秘による発熱はなぜ子どもに多い?
便秘による発熱は、特に子どもに多いです。子どもがなぜ便秘による発熱しやすいかという理由は、免疫力が低いからと覚えておきましょう。子どもの体は未発達のため、便秘に体が過剰反応して発熱しやすいのです。便秘は、子どもの体に大きな負担となっていることを理解しましょう。なお、大人になって免疫力が付いてくると便秘になっても発熱しにくくなります。
3-3.高齢者も便秘による発熱に注意しよう
子どもだけでなく、高齢者も便秘による発熱しやすくなります。高齢者は、腸の働きが衰えたり腹筋が弱くなったりして便を押し出す力が弱くなるため、便秘になりやすいのです。さらに、免疫力が低下してくるために、便秘になると発熱しやすいと考えてください。特に、高齢者で活動量が少ない場合は、便秘リスクが高まるので注意しましょう。
3-4.便秘による発熱の対処法・治療法
便秘による発熱が起きた場合は、放置しないですぐに対応しましょう。具体的には、便秘を早急に解消することが大切です。子どもの便秘の場合、解熱剤を飲むことで悪化することがあるので注意しましょう。便秘による発熱の原因は、便秘なのです。熱を下げることではなく、便秘を解消することを優先してください。
3-5.生活習慣で気を付けること
便秘による発熱を予防するためには、便秘にならないことが最も大切なことです。一般的に子どもは活動量が多いため、腸も活発に働いています。しかし、免疫力が弱いために便秘になったときに発熱しやすいのも事実です。便秘による発熱を避けるには、乳酸菌・食物繊維・水分をたっぷりと摂(と)って腸内環境をよくしてください。また、適度な運動を行うことや、生活リズムを整えることにも気を付けましょう。子どもの便秘を防ぐには、親がしっかりと気を付けることが大切です。
4.便秘による発熱のセルフケアを学ぼう
では、便秘による発熱が起きた場合のセルフケアを学びましょう。便秘による発熱の場合は、とにかく便を出して便秘を解消することが大切です。
4-1.とにかく便を出すことが大切
便秘による発熱が起きた場合は、とにかく便を出すことが大切です。ときには、浣腸(かんちょう)も必要になるでしょう。ただし、浣腸(かんちょう)は無理やり便を出す方法ですから注意が必要です。浣腸(かんちょう)はできるだけ使いたくないものの、急を要する場合は仕方がありません。心配な人は、医師の指示を受けていってみてください。
4-2.鎮静剤や頭痛薬の使用について
便秘による発熱が起きた場合、鎮静剤や頭痛薬の使用は様子を見てください。鎮静剤や頭痛薬の成分によっては、便秘がさらに悪化することがあります。発熱を鎮めるには、鎮静剤や頭痛薬が逆効果になることもあると覚えてください。まずは、便を出すことを考えることが大切なのです。鎮静剤や頭痛薬は、便秘を解消して熱が下がることを確認してから必要に応じて飲むようにしましょう。
4-3.便秘の解消法を詳しく解説
それでは、便秘の解消法を詳しく解説します。ひとつだけを試すのではなく、複数の解消法を同時に試してみてください。
4-3-1.食事に気を付ける
便秘を解消するためには、現在の食事内容を見直すことも大切です。便秘になっている人の多くは、糖質や脂質などが多過ぎる食生活を送っています。また、不規則な食事時間も特徴と言えるでしょう。便秘を解消するためには、栄養バランスのよい食事を規則正しい時間に摂(と)ることが大切です。また、腸内環境を改善するためには食物繊維や乳酸菌を多く摂(と)ることを意識してください。
4-3-2.水分摂取を積極的に行う
便をやわらかくするためにも、多めの水分摂取を心掛けましょう。水分不足では、腸内で便がかちかちになってしまって排便に苦労します。また、水分は食物繊維とともに便の体積を増したり腸のぜん動を促したりするためにも必要です。便秘を解消するためには、1日1.5リットル程度の水分摂取を心掛けましょう。なお、腸の負担を防ぐためにも常温での水分摂取をおすすめします。
4-3-3.適度な運動を行う
適度な運動を行うことも、便秘解消に有効な方法です。特に、ウォーキングなどの全身運動をおすすめします。運動が便秘解消につながる理由は、腸のぜん動運動を促すからです。運動によって、腸の活動が活発になることで便の排出もスムーズになるでしょう。また、運動は全身の血行をよくするため、腸が冷えることを防ぐ効果もあります。腸が冷えることも便秘の原因ですから、適度な運動を行うことは便秘解消に大きな意味を持つのです。
4-3-4.生活習慣にも気を配ろう
便秘に悩む人は、生活習慣にも気を配るべきでしょう。たとえば、夜更かしのし過ぎで睡眠不足になっている人も多いはずです。睡眠不足は、腸にとって大きな負担となります。良質な睡眠は、腸の休息のためにも必要です。十分に休息できた腸は、日中に活発化するため便秘解消にも役立つことでしょう。また、規則正しい生活リズムに整えたりストレスを溜(た)め過ぎたりしないように気を付けてください。
4-3-5.便秘解消に効果のあるツボやマッサージを試す
便秘解消に効果のあるツボやマッサージをも積極的に試してみましょう。たとえば、以下のツボは便秘に効果があるのでおすすめです。
- 合谷(ごうこく):親指と人差し指の付け根にある骨の内側にあるツボ
- 神門(しんもん):手首の裏側かつ内側で骨と筋の間にあるくぼみに位置するツボ
- 三陰交(さんいんこう):内側のくるぶしの骨から指4本分上側かつすねの骨の後ろにあるくぼみに位置するツボ
- 便秘点:ろっ骨の真下から指2本分下側かつ指4本分内側にあるツボ
また、お腹(なか)を「の」の字を書くようにマッサージすることも便秘解消に効果的なのでやってみてください。
4-3-6.便秘薬・サプリ・漢方薬の利用
便秘の解消には、便秘薬やサプリ・漢方薬の利用も考えましょう。ただし、便秘薬や漢方薬にかんしては、体質によって合うものが異なるので注意して選んでください。便秘解消のためには、できるだけ体に負担になりにくいタイプの漢方薬を利用することをおすすめします。便秘解消に効果のある漢方薬については、下記を参考にしてください。
キョクトウ株式会社:http://www.my99box.com
4-4.便秘解消のためにやってはいけないことや注意点
便秘解消のためでも、やってはいけないこともあります。たとえば、素人がむやみに自己判断で下剤を使用することはとても危険です。下剤は、腸への負担が大変に大きいためおすすめできません。また、下剤を飲むことは激しい腹痛や吐き気を伴うなどの副作用も心配です。さらに、下剤の使用によって腸内の善玉細菌まで流してしまうことにより、便秘がさらに悪化する可能性も高くなります。便秘の解消法として下剤を使用することは、医師の指示が無い限りは避けてくださいね。
5.便秘による発熱でよくある質問に回答
最後に、便秘による発熱でよくある質問に回答します。実際に発熱したときに不安にならないためにも、それぞれの内容を確認しておきましょう。
5-1.発熱に伴う便秘はどのように判断するべきですか?
発熱に伴う便秘は、発熱後に発症することが特徴です。つまり、発熱前には問題無く排便があるときには便秘の原因は明らかに発熱であると言えます。発熱している状態では、腸の活動が弱くなっているため上手(じょうず)に排便ができないのです。腸に負担のかかりにくい食事と水分摂取を心掛けながら、安静にして解熱を待ちましょう。
5-2.便秘による発熱で整腸剤を飲むのはダメなのでしょうか?
整腸剤は、腸内の細菌バランスを整えることで便秘を解消する効果があります。そのため、整腸剤を飲むことも便秘を解消する方法のひとつとして考えてよいでしょう。ただし、整腸剤であっても便秘解消の効果が弱いものもあります。また、体質に合わないと副作用が起きる心配もあるため、医師の診断を受けて体質に合ったものを処方してもらいましょう。
5-3.病気のために治療薬を飲んでいる場合はどうすればよいですか?
現在、何らかの病気治療中の人で治療薬を飲んでいる場合は、新たに薬を飲むことに対して医師の判断が必要です。また、治療薬の副作用のために便秘が起こり発熱に至っている可能性もあります。病気のために治療薬を飲んでいる人は、便秘による発熱が起きたら速やかに医師の指示を仰いで対応してもらいましょう。
5-4.妊婦が便秘で発熱した場合の対処法は?
妊婦の場合は、胎児に影響が出ないように対応する必要があります。便秘が原因で発熱したと考える場合は、まず、かかりつけ医に相談してください。熱を下げるために自己判断で市販薬を飲むことはやめましょう。なお、妊娠中は胎児が腸を圧迫したり運動量が少なくなったりなど、便秘になる原因がたくさんあります。できるだけ便秘にならないように気を付けることで、発熱リスクを低くしてください。
5-5.便秘による発熱は体質や遺伝も関係しますか?
便秘による発熱が起きやすい体質があることは否定できません。便秘を体の異常と判断することで、発熱しやすい人もいます。しかし、遺伝が関係するとなると確かな証拠は存在しません。便秘になりやすい体質もありますが、遺伝よりも家族で同じ食習慣や生活習慣を送っていることが大きく影響をしていると考えましょう。
まとめ
便秘は、発熱を伴うことがあります。便秘による発熱は、便秘を解消することを第一に考えましょう。便秘解消にはさまざまな方法がありますから、できることから試してみてください。便秘解消には、体に負担の少ない漢方薬を利用することもおすすめします。なお、子どもは体が未発達なために便秘になると発熱を伴いやすいです。また、高齢者も便秘による発熱を起こしやすいので注意しましょう。便秘による発熱は、危険な病気が隠れているサインになることもあります。発熱以外にも気になる症状がある場合は、速やかに医師に相談してくださいね。