便秘薬・下剤の副作用について知りたい! 下剤の基礎知識と注意点
2015/01/09
2017/08/16
監修: 快適ヘルシーライフ編集部
便秘が長く続くほど、体に大きな負担がかかってしまいます。
体が重くなったり、疲れがとれない、毎朝スッキリしないと気持ちもモヤモヤッとしますよね。そこでスッキリしたいと、便秘を解消するために“下剤”“便秘薬”を使う人も多いはず。
しかし、下剤も体に負担をかけてしまったり、飲み過ぎると吐き気といった副作用も引き起こす可能性があります。
下剤の仕組みや下剤乱用からくる危険性について詳しくみていきましょう。
下剤・便秘薬をよく利用している人はぜひチェックしてください。
1.下剤の仕組みについて
危険性や副作用をみる前に「下剤の仕組みがどのようになっているのか」を説明しておきましょう。仕組みについて今まで考えたことがなかった…という人は危険です!
間違った方法で下剤・便秘薬を使用している可能性があります。
下剤・便秘薬は正しい方法で使うことがとても大切。
間違った方法を使っていないかどうか判断するためにも、仕組みは必ず知っておかなければなりません。しっかりチェックしていきましょう。
1-1.2種類の下剤によって変わる
下剤には主に2つの種類に分けることができます。
ひとつは、「腸の動きを活性化させるもの」。もうひとつは「便・腸ともに水分を与え排出させるもの」です。
この2つによって仕組みも変わってくるため、自分が使っている下剤がどちらの種類になるのか確認してください。
下剤・便秘薬は必ずしもすべてが同じ仕組みで便を排出してくれるわけではありません。それぞれの種類によって仕組みが変わるので使用方法も変わってきます。
では、仕組みはどのようになっているのか、次で詳しくみていきたいと思います。
1-2.腸の動きを活性化させるタイプ
腸に溜まっている便を排出するためには腸が排出しようという働きを活性化させる必要があります。その効果をもっているのが、“腸の動きを活性化させるタイプの下剤”。
腸を活性化させることにおいてはありがたい効果ですが、それは無理やり押し出すということを忘れてはいけません。
自然と排出するのではなく、無理やり便を押し出すことになるのです。
水っぽい便であればあるほど、肛門から遠いところに溜まっていた便ということになり、水分が腸に吸収されなかった証拠。逆に硬い便は肛門に近いところに溜まっていた証です。
1-3.便・腸ともに水分を与え排出されるタイプ
服用すると、便に水分を与え、柔らかくさせる下剤タイプもあります。
水分を便だけでなく、腸にも吸収させることで流れを活性化させるのです。こちらのタイプは腸の働きを活性化させる下剤とは違う点があります。
それは、無理やり便を押し出すことがないことですね。
よって、下痢や腹痛、吐き気といった症状があまりなく、体にかかる負担も少ない特徴が…。下剤を飲むとすぐにお腹が痛くなってしまうという方はこちらのタイプの方がオススメですよ。
2.下剤乱用からくる副作用
2-1.摂食障害の人に多い下剤乱用
下剤乱用をしている人はほとんどが“摂食障害”の疑いがあります。
摂食障害とは、精神疾患のひとつであり、拒食症・過食症が挙げられます。
食事を当たり前のように1日3食とることがなくなり、体が細くなってしまう拒食症、一気に食べてしまい太ってしまう過食症。この2つを繰り返していくことになるのです。
つまり、普通の人がしている食事とは違い、大きくその日によって偏ってしまうことになるでしょう。
これは、「ダイエット」が主な原因と言われています。
痩せなければならないというストレスから拒食症になり、その反動として過食症を引き起こしてしまう人が多いのです。
体重を下剤でコントロールするようになれば要注意。
摂食障害を起こしていると自覚し、下剤を使わないように意識づけをしていかなければなりません。
2-2.健康に悪い副作用がたくさんある
便を溜め込んでいる方が健康に悪い!下剤を使った方が良いのでは…と思っている人が多いですが、下剤乱用による副作用の方が非常に健康に悪いです。
どのような副作用があるのかというと、以下の症状が挙げられます。
- 腹痛
- 痙攣
- 便秘の悪化
- 動機や不整脈
- むくみ
以上の5つの症状は下剤乱用の副作用として有名です。
下剤を飲むとすぐに腹痛がやってくる人も多いのですが、下剤乱用からくる腹痛は痙攣を伴うことがほとんど。痛みとともに体がブルブル痙攣しはじめるのであれば腸の動きが異常になっている証拠となります。
下剤を頻繁に使い、腸に刺激を与えすぎてしまうと便秘がさらに悪化してしまうことも…。
過剰な下剤の摂取が逆効果になってしまうこともあり、腸内環境を整えてくれる善玉菌も流れてしまうのです。
また、カリウムも排出される恐れがあるので全身のだるさや心臓への負担から動機や不整脈も起こしてしまうでしょう。
女性に多いむくみの原因となる可能性もあります。
このように、下剤乱用からくる副作用は健康に悪いものばかりです。間違った使い方は悪影響を及ぼしてしまうことをしっかり知っておかなければなりません。
3.便秘薬を使うときの危険性・注意点
3-1.同じ便秘薬を使うのは危険!?
自分の体質にあった便秘薬があればずっと同じ便秘薬を使ってしまいますよね。
しかし、同じ便秘薬を使い続けることは非常に危険で、避けておけなければならないと専門家は言っています。
なぜ、同じ便秘薬を使うと危険になるのでしょうか。
その理由は、“便秘薬の依存症”。
便秘薬があれば便秘も解消することができると、薬に頼りっぱなしになってしまうのです。依存症になると、薬がなければ便を排出できない体となってしまうため、体そのものの力が失われてしまうでしょう。
あくまで、便秘薬は最後の砦として使ってください。
もし、今頼りっぱなしであれば、少しずつ使うタイミングや量を減らしていきましょう。
3-2.複数の種類を使い分けること
重度の便秘を抱えている人は、同じ便秘薬ではなく複数の便秘薬を使いまわしていきましょう。
ひとつの便秘薬の刺激に体が慣れてしまうことが1番危険。よって、複数のさまざまな便秘薬を使い分けることで依存症を防ぐだけでなく、体の慣れをなくしてくれるのです。
また、違った効果も感じることができると思います。
薬だけでなく、今の世の中には便秘解消効果のあるお茶や飲み物もたくさん発売されているのでぜひ試してみてはいかがでしょうか。
3-3.正しい使用・服用量を守ること
便秘薬の注意点として、必ず、その便秘薬の説明書を読んでください。
説明書には1日に服用しても良い量と飲み方について詳しく記載されています。
たくさん飲めば効果もその分倍になるのでは…と飲み過ぎてしまうと逆効果。下痢や吐き気を伴う副作用があらわれるでしょう。
体に負担をかけず、スムーズに解消していきたいのであれば必ず1日の服用量を守ってください。
それでも効果がない場合は、一度病院に診せにいってみましょう。あなたの症状・便秘に適切な薬を処方してくれるので安心できます。
まとめ
便秘で引き起こされる副作用は主に、その人の使い方が間違っていることが挙げられます。
間違った方法で便秘薬を飲むと副作用が引き起こされ、さらに体に負担がかかってしまうので注意してください。
- 腸に刺激を与えるタイプと水分を吸収させるタイプがある
- 下剤の種類によって仕組みが違う
- 摂食障害の人ほど下剤乱用の傾向あり
- 下剤乱用は健康に悪い副作用を引き起こす
- 同じ便秘薬を使い続けないこと
- どうしても解消されないときは病院にいく
以上の6点についてはとくに要注意。
もし、便秘薬からどうしても離れられない場合は、和漢生薬を使っている「複方熊胆円」という商品を試してみてはいかがでしょうか。
古来の中国から使用されていた「熊胆」と「牛胆」を使用しています。化学薬品ではなく、自然のものを使うことで体本来そのものの力を引き出すことができるのです。
腸の働きも活性化し、便秘改善に役立つでしょう。