膝の痛みを緩和する方法

膝の痛みを緩和する方法や負荷のかからない運動・階段の注意点について

監修: 光伸メディカルクリニック院長 中村 光伸  免責事項について

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肥満体型の人にとって悩みの種となるのが「膝痛」です。体重のすべてが膝に負荷をかけています。そのため、できるだけ肥満体型を改善しなければならないでしょう。膝痛と体重の関係や膝にかかる負荷の大きさ、階段をのぼりおりする際の注意点、膝への負担が少ない運動について説明します。肥満体型で悩んでいる人はぜひチェックしてくださいね。

  1. 膝痛と体重の関係
  2. 階段をのぼりおりする際の注意点
  3. 膝への負担が少ない運動
  4. まとめ

1.膝痛と体重の関係

膝の痛みが発生する原因は「肥満体型」にもあります。膝痛は体重と密接に関係しているのです。膝痛が長く続けば続くほど生活に支障が出てしまいます。できるだけ早く治すためにも体重との関係を把握してください。

1‐1.肥満体型は膝痛に大きく関係している

膝痛の原因は人によってさまざまですが、主な原因は「肥満」にあります。余計な脂肪がたくさんついているため、体脂肪がすべて膝に負荷をかけているのです。日常生活で大きな負荷がかかっていることを知らなければなりません。

たとえば、歩いているとき体重以上の負荷がかかっています。なんと体重の3倍以上も負荷がかかっているのです。階段ののぼりおりにおいては体重の7倍、走っているときは体重の10倍にもなります。つまり、体重が増えるほど負荷も大きくなるのです。膝に体重以上の負荷がかかっていることをしっかり把握してくださいね。膝痛を治すには肥満体型を改善しなければなりません。

1‐2.1日のカロリー摂取・消費を考える

膝痛と体重の関係についてわかったでしょう。そこで、ぜひ注意してもらいたいのが1日の摂取カロリーです。肥満体型になっている人ほど1日の摂取カロリーが平均よりも非常に多いでしょう。1日の摂取カロリーはできるだけ平均以内に収めなければなりません。肥満体型を改善するためにも「腹八分目」にしてください。食べ過ぎはNGですよ。

揚げものや甘いもの、コンビニ弁当、レトルト食品、ファストフードはできるだけ控えることが大切なポイントになります。また、高カロリーのものをどうしても食べたいときは野菜を先に食べてください。野菜を食べることでおなかをある程度膨らみます。野菜には食物繊維やビタミン・ミネラルが豊富です。そして、高カロリーの吸収を抑えてくれます。ぜひ1日のカロリーを計算してみてくださいね。

1‐3.ごはんはゆっくり食べる

膝痛と体重の関係は「カロリー」にも大きく影響していますが、食べ方にも問題があります。あなたはごはんを食べるスピードが速くなっていませんか? ごはんを食べるスピードが速いと食べ物がスムーズに消化できないでしょう。消化が悪くなると太りやすくなってしまうのです。肥満体質になっている人ほどごはんの食べ方がとても早くなっています。肥満体型を改善するためにも食べ方をできるだけゆっくり、30回は咀嚼してくださいね。

また、血糖値が急上昇すると同時に満腹感も得ることができません。余計に体重が増え、膝痛を起こしてしまうでしょう。
膝痛から解放するためにもごはんの食べ方に注意してください。

2.階段をのぼりおりする際の注意点

2‐1.階段をのぼるときの注意点

膝痛で悩んでいる人にとって階段の昇降はとても大変ですよね。歩くときよりも階段のほうが余計に膝への負担がかかってしまいます。階段をのぼりおりするときに痛みが悪化する人も多いでしょう。肥満体型を改善しなければなりませんが、階段をのぼるときの注意点も知らなければなりません。注意しておきたい階段ののぼり方について説明します。階段をのぼるときは、できるだけ足裏全体に体重がのるようにしてください。

できるだけ負担を減らすため、階段を使わずにエスカレーターやエレベーターを使う人も多いでしょう。しかし、運動不足は逆に肥満体型が悪化します。のぼるときは膝とつま先の向きが同じになっているかどうか確かめてください。向きが一緒でなければ変な負荷がかかってしまいますよ。力任せでのぼるのではなく、重心を考えるとのぼりやすくなるでしょう。

2‐2.階段をおりるときの注意点

階段をのぼるときと同じく、おりるときもいくつか注意点があります。おりるときはのぼるときと同じように膝とつま先の向きを一緒にしてください。ただし、まっすぐ足をおろしてはいけません。少し斜めに足を向けてからおろすことがポイントです。まっすぐにおろしてしまうと負荷が膝にかかってしまい痛みを感じる人が多いでしょう。手すりがあれば利用しながらゆっくりおりてください。

痛い場合はつま先立ちの練習をすると良いですよ。つま先から階段をおりるのでつま先立ちの練習をすることで痛みを和らげることができます。片足ずつゆっくりのぼりおりしていけば次第に慣れるでしょう。最初はゆっくりとすすみ少しずつ慣れていくことが大切ですよ。

3.膝への負担が少ない運動

3‐1.おすすめは「水中運動」

肥満体型による膝痛は運動不足が原因になっています。肥満体型になるほど運動が思うようにできません。しかし、運動不足が続いてしまえば余計肥満体型になってしまうので要注意です。

そこで、膝への負担が少ない運動を紹介しましょう。おすすめは「水中運動」です。肥満体型の人が激しい運動をしてしまうと膝痛が悪化してしまいます。悪化してしまえば日常生活に支障をきたしてしまうのです。悪化しないためにも「水中運動」でカバーしながら筋力を鍛えていきましょう。水中であれば水圧があなたの膝を守ってくれます。膝にかかる負荷をカバーしてくれるのです。水中運動であれば無駄な負荷をかけることなく運動できるでしょう。時間があいているときに水中運動を少しずつ始めてくださいね。

3‐2.正しい歩き方を維持する

膝への負担が少ない運動は「正しい歩き方」です。あなたはいつもどのような歩き方をしているのでしょうか。改めて自分の歩き方を見つめ直してください。肥満体型になっている人ほど変な方向に力が傾いてしまいます。膝への負荷を避けようと違うところへ負荷がかかってしまえば体全体がゆがんでしまうでしょう。そのため、正しい歩き方を意識してください。
背筋と膝はきちんと伸ばした状態で歩きましょう。

そして、足に地面をつけるときはかかとから着地することが大切です。つま先でしっかり蹴りましょう。つま先とかかとの使い方を正しくすることで膝痛を和らげることができます。ぜひ歩き方を正しく維持してくださいね。

4.まとめ

膝痛と体重の関係、階段をのぼりおりする際の注意点、膝への負担が少ない運動について説明しましたが、いかがでしたでしょうか。膝と体重は密接につながっています。そのため、肥満体型の人はできるだけ改善していかなければなりません。すぐに改善できるとは限りませんが、毎日少しずつ運動し生活を改善していけば次第に体重が減りますよ。体重が少なくなれば膝にかかる負荷も少なくなるものです。

  • 肥満体型は膝痛に大きく関係している
  • 1日のカロリー摂取、消費を考える
  • ごはんはゆっくり食べる
  • 階段をのぼるときはゆっくりのぼる
  • 階段はつま先からおりる
  • 「水中運動」で筋力を鍛える
  • 正しい歩き方を維持する

以上のポイントはぜひ押さえておいてください。肥満体型になっている人は少しずつ体重を減らす工夫をしていきましょう。しっかりポイントを押さえて体重を減らしていけば膝痛を和らげることができます。

光伸メディカルクリニック院長中村 光伸

監修者

中村 光伸
光伸メディカルクリニック(東京 新宿)院長
医学博士
日本整形外科学会専門医
日本整形外科認定スポーツ医
日本整形外科認定リウマチ医
日本体育協会公認スポーツドクター
日本抗加齢学会認定専門医
日本胎盤臨床医学会認定専門医
日本美容皮膚科学会
日本レーザー治療学会

東京生まれ。北里大学医学部卒業、北里大学整形外科入局。
学位習得後、フンボルト大学外傷再建外科学(ドイツ)・チャンガン大学形成外科美容外科(台湾)へ留学。 Jリーグヴァンフォーレ甲府チームドクター、山梨学院大学陸上競技部(駅伝)チームドクターを歴任。 北里大学整形外科専任講師、北里大学救命救急整形外科部長、松倉クリニック&メディカルスパ等を経て、2011年12月、自身の理想とする医療を実現するため「光伸メディカルクリニック」を開業。 “リバースエイジング・健康寿命を延ばす”を命題に“見た目”の大切さと“動き目”の大切さを唱え、「整形外科」「美容外科」「美容皮膚科」「リハビリテーション科」を一つの科として診療している。

著書
「3か月で10歳若返る わたしはリバースエイジングドクター」(H304月1日発刊予定) メディア掲載歴
『Domani』2018年3月号、『VoCE』2017年11月号、『厳選 クリニックガイド』、『VOGUE』2017年9月号、『VoCE』2017年4月号、『VoCE』2017年3月号、『ViVi』2016年8月号、『VoCE』2016年6月号、『InRed』2016年6月号、『VOGUE』2016年1月号、『DRESS』2016年2月号、『MAQUIA』2016年2月号、『VoCE』2015年2月号、『VOGUE』2015年1月号、『MyAge』2015年秋冬号、他多数